JACMOの和解判断事例 平成25年（不）第2501号

平成25年（不）第2501号　原状回復費用請求拒否確認和解事件
和解判断：平成25年2月20日

第1.和解申立の概要

◎事件の概要

「賃貸借契約時において、定額清掃費名目にて事前に解約に伴う原状回復費用を徴収した賃貸借契約事例において、退去時に貸主から追加原状回復費用を請求された場合における当該費用追加請求を不当として賃借人が和解申し立てを行った事例

◎請求の趣旨

申立人は追加原状回復費用を負担する必要のないことを確認せよ。

◎請求の概要

本件賃貸借契約は、その締結時に敷金制度ではなく、退去時に予め定額の清掃費（以下定額退去費用という）を徴収する方法により退去時の精算方法を合意しており、申立人は当該定額退去費用を疑義なく支払、結果、退去時において故意又は過失による損傷損害をのぞき何等の追加回復費用を請求されることはないと判断していた。
しかしながら、貸主は、退去時において、申立人の喫煙によるクロス張替工事費用を追加請求してきた。
申立人は、喫煙は生活慣習であり、公共施設であるなら格別、営利賃貸施設において入居者に喫煙の禁止を請求することはできず、且つ、喫煙によるクロスの損傷についても当然家賃に想定して設定しているものであり、従って、定額退去費用以外の費用を負担する意思はないことを通知した。
貸主は、以降も同様の請求をするので、これを不当請求であることを確認するため、本申立てに及ぶ。

第2.結果

自判取下

第3.和解裁定

◎和解裁定（又は自判取下）

なし

◎和解裁定（又は自判取下）の理由

JACMOを民間紛争解決機関として指定し、ADR手続の申し立てを行う予告通知により、相手方と誠意ある話し合いの機会が生じ、真摯に協議した結果、申立人の主張を相手方が認諾し、追加費用の請求を取り下げた。